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【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

熊のように猛々しく、勇ましい人々であったといわれているクマソ族。古事記では「熊曽」、日本書紀では「熊襲」と書かれています。
妙見温泉の石原荘の西側を、200mほど登った山腹にある「熊襲の穴」。熊襲族の首領・川上梟師(かわかみたける)が住んでいた場所で、現在では霧島有数のパワースポット。今回は、古代クマソ族の息吹を感じる、熊襲の穴を訪ね歩きます。
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜(日刊ちぇすと編集部)〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜

熊襲(クマソ)の穴。そう聞くと、熊を襲って生活していた人々なのかな?と思ってしまう。マタギなのだろうか、、、。古事記について詳しい息子さんを持つ友人が、私をそこへ連れて行ってくれた。

熊襲(クマソ)の穴が在る場所は、霧島市隼人町の温泉街妙見。霧島市の山に、熊がいたなんて聞いたことがない。そもそも熊がいたのだろうか?
聞くところによると、熊を狩っていた人々ではなく、「熊のように荒々しく勇ましい民族」ということから「熊襲族」と呼ばれているそうだ。古事記や日本書記に登場する民族なので、かなり有名な族と言えよう。

それなのに、私は熊襲族の存在を知らず、古事記など読まないので、ただただ好奇心だけで訪れることにした。隼人町小中学校出身の友人に聞いてみると、遠足などでこの穴を訪れ、昔は、この穴で弁当を食べたそうだが、、、。

さぁ、どんな穴が待っているのだろう!さっそく行ってみよう!


【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

妙見温泉石原荘近くに「熊襲の穴」は存在する(実際には、石原荘敷地内となっています)。国道223号沿いに案内表示があるので迷うことはありません。広い駐車場に車を止めたら、いざ案内表示に従い山を登っていく。

車を降りた瞬間から、濃い森林の香り。深く深呼吸。なんていい香りだろう〜〜〜〜!!!

【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

ずんずん深い森を登っていく。距離にして200m程だそうだが、結構急な傾斜のため足元に気をつけて登ろう!こんな時に、フルマラソンの練習をしていた成果を感じるわぁ〜〜楽勝!木々の合間の木漏れ日が、神秘的。

夏になると、虫がでてくると思うので、虫除けをして行くことをお勧めします。

【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

ずんずん登っていくと、中国の石窟寺院を彷彿させる入口が目の前にはだかって来た。こんな場所に、熊襲族は暮らしていたのか、、、。

熊襲族は、大和朝廷に従わなかった部族。そのため、こういう場所に身を隠して生活していたのだろうか。熊襲族と隼人族は、共に南九州に住んでいた部族だそうで、隼人族は熊襲族と反対で、大和朝廷に使えていたのだそうです。

なるほど、なるほど。少しずつ熊襲族の知識を得ながら、次に進んでいこう!

【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

さて、息が上がりつつもここまで登ってきたぞ〜〜〜。辿り着いた場所は、なにやら鍾乳洞入口を思わせる小さな入口。一見、この先はないように思える。子供でさえも立ってはくぐれない、穴がぽっかり空いている。

この穴を潜って中に入るようなのだが、これはちょっと勇気が要る。ガイドも誰もいなくて、一人で訪れていたなら、この穴の奥に入らずに、引き返していることだろう。

【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

友人は、ここを訪れるのは3度目だったので、手慣れた様子で洞窟内の電気スイッチをONしていた。どうやら、訪れた人が手動で電気をつけなくてはならないようだ。

【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

では、ちぇすとBLOGミステリーハンター西溜、いざ、洞窟へ潜入します!!!

腰をかがめて、足元に気をつけて、そろりそろりと潜入。

ずん、
ずんん、
ずんんん!!!
【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

どぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!
でたぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!!

壁や天井に鮮やかに描かれた芸術的な絵のお出迎え。圧巻である。こんな立派な壁画も残っているのかぁ〜〜〜、と思っていると、実は1990年に萩原貞行氏が内部にアートを施したそうだ。

洞窟の壁画としてもマッチしていて観光客の目を愉しませるのは間違いないけど、歴史上有名な洞窟なのに良いのだろうか、、、っとも考えさせられる。

【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

100畳ほどあるこの洞窟は、熊襲族にとっては悲劇の場所と言える。実はこの場所、熊襲の首領である川上梟師(カワカミタケル)が、景行天皇の皇子・小碓命(オウスノミコト)のちの倭建命・日本武尊(ニホンタケルノミコト)に殺された場所ではないかとされている。


川上梟師は新築の祝宴を催していた際、そこに小碓命が少女の姿に変装して熊襲の女たちの中に紛れ込み、すっかり油断していた川上梟師を亡き者にしたという物語が残っている。

日本武尊(ニホンタケルノミコト)のタケルとは、川上梟師(カワカミタケル)が死に際に、「大和の国には、わたしたち以上に強い人があることが、今わかりました。だから、私達の名前をあなたにさし上げましょう。今から後は、倭建命(ヤマトタケルノミコト)と名乗ってください」と言い終えたようで、この時からヤマトタケルノミコトとなったそうだ。

【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

洞窟内はとても涼しく、連日雨が降っていたせいもあり、雫が上から滴り落ち、マイナスイオンが発生していた。そのためか、呼吸がとても軽く酸素カプセルの中にいるように心地よかった。

ギリシャあたりの島にありそうなオシャレな洞窟で、ワインバーでも営業したら流行るだろうなぁ〜〜、、、などと、勝手に想像したり。夏は、クーラー要らずだな。

【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

さてさて、熊襲のお話の続き。

熊襲の首領である川上梟師(かわかみたける)が襲われ、血塗りの剣を手にした女装の小碓命を、大勢の屈強の大男たちが取り囲み、一突きしようと身構えた。

流血し瀕死の川上梟師は、「こなたは、景行天皇の皇子小碓命だ、朝貢しないと征伐に来られた、決して殺すでないぞ、私の名を献上して、ヤマトタケルノミコと命名して頂いた。朝廷まで無事届けてくれ、そして我々は今日限りで解散してくれ」と命じた。

小碓命を一突するのはわけなかったことだが、屈強の大男たちは、川上梟師の小声の厳命を主命として悲哀の極限の中で守ったのだった。

熊襲族が即座に解散した証拠として、歴史の本を探しても、その後の熊襲に関する記事は見当たらないと言われている。

【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

今現在は、第一洞窟しか見学することはできない。奥に広がる第二洞窟は、100畳と言われる第一洞窟よりさらに広い300畳だと言われている。ひろっ!!

昔は、そのまた奥に千畳敷もあったというから、ここはどれだけ広い洞窟だったのか、、、。ここに居を構えた川上梟師の石の寝台が完成し、その祝いに熊本、鹿児島、宮崎の南九州にまたがる55の部族の首領がお祝いに集まり、酒盛りが催された、と伝えられている。さぞかし賑やかで盛大なパーティだったことだろう。

【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

いろいろなことを感じつつ、洞窟を出る。んん??なんだか空気が重い。洞窟内は、あんなに呼吸が軽くて心地よかったのに、洞窟の外に一歩出るとなんだか空気感が全然違う。不思議。ここへ到着して、車から降りた時はこの森林でさえも美味しい空気だと感じたのに。洞窟内はさらにクリアなんだろう。

【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

しかし、こんな身近に古事記や日本書記に登場する熊襲族の生きた場所があり、なおかつ倭建命(ヤマトタケルノミコト)の名前が誕生した地とは。なんとも、面白い。霧島の地ミステリーの地!

まだまだ、鹿児島県は不思議がいっぱい!みなさんも是非訪れてみてはいかがでしょう?




住所/鹿児島県霧島市隼人町嘉例川
駐車場/10台(無料)
料金/無料
連絡先/0995-64-0895(霧島市観光課)
妙見石原荘/http://www.m-ishiharaso.com/mame/kumaso.html


【ちぇすと歴史探訪】ヤマトタケル誕生一名嬢着の地、隼人町妙見「熊襲の穴」を訪ねる

日刊ちぇすと編集部:西溜 美和

霧島市溝辺町出身。本業グラフィクデザイナー。33歳の時、世界一周を経験し、故郷・鹿児島のあり方について深く考えるようになる。いかにミニマムに自然と共存して生きるか…を自問自答しながら、ライターとしても成長していきたい39歳。



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